１０年７月２３日（金）　夏が来た

晴れ間がほとんどなくじめじめと降り続いた長梅雨が終わったかと思うと一気に暑い夏が来た。

子どもの時には夏は一年中で最も楽しい季節で夏休みになると毎日外へ飛び出して一日中遊び回ったものである。夏は水が恋しくなるので川へ行くことが多かったが時には近くの里山に行ったり少し離れている海まで足を延ばすこともあった。

後期高齢者（この呼称は気に食わない。１００歳を越える人が今年は５万人を超えるかもしれないという時世だから、中期高齢者と言ってはどうかと思う）が近い身になると暑いのが苦手になって、ともすれば屋内で過ごしがちになるものだが、私はそういうわけにはいかない事情があって外に出かけることが多くなる。

毎年夏になると横浜に住んでいる娘が二人の孫をつれてやって来る。これまでは１週間かそこら滞在することが多かったが、孫息子が小学生になったころから次第に滞在する日数が増えるようになり、今年は８月に入って数日後に早々とやってきて盆の後まで２週間余り我が家で過ごすことにすると言うのである。

小３の孫息子が夏休みの間中愛媛で過ごしたいと言ったとかで２週間という期間で妥協させたのだと思う。

私は７人乗りのホンダのオデッセイを所有しているので、これまで１週間程度の滞在中はほとんど連日のように一家全員をどこかに連れて行って遊ばせるのが常だった。

家内は暑いから屋内で過ごせる所に行きたがるが、孫たちには少々の暑さでへこたれるようなヤワな人間になってもらいたくないので、屋外に連れ出すことを心がけている。

さいわい私はこの年になっても暑い日中に外へ出ていくことが億劫にないので孫たちと一緒に太陽の下で楽しく遊ぶ。一昨年は松山の近郷の鹿島の海水浴場に行って三十数年ぶりに海水浴を楽しんだものである。

愛媛は海岸線が長いので海水浴場はあちこちにあるが、当時幼稚園に上がる前だった孫娘が「お船に乗りたい」と言うのでわざわざ自宅から車で１時間余りかかる島の海水浴場まで行ったのである。鹿島は渡船で５分ほどで渡れるので船旅はあっけないのだが、孫娘は豪華客船でクルーズしてアメリカまで渡ったような気分で満足気だった。

行ってみて「これは正解だった」と思った。砂浜が緩やかな傾斜を描いて海に潜っているので孫たちが身体を水中に浸して歩きながら遊ぶのに都合がよいのだ。その上砂がきれいで歩き回っても海水が濁らないので実に快適である。

私が子どもの時によく泳ぎに行った自宅から車で１５分ほどの桜井海岸も白砂の浜だが少し濁るので、鹿島のほうが上だと思った。

今年も鹿島に連れて行こうと思っている。それから、まだ行ったことがないので香川県の満濃国立公園にも行こうと思う。ついでにその近くにある金刀比羅宮にも行って本宮まで７８５段の石段も歩いて登らせようかと思っている。２週間となると毎日というわけにはいかないが、他にもあちこち連れて行かなくてはと思っているので、どこにしようかと目下思案中である。

夜は夜で楽しく過ごさなくては、と思って自宅の庭で花火大会を２度は行うつもりだし、投光機でテラスを照らしてバーベキューコンロの回りにガーデンセットのチェアを並べてバーベキューもやるつもりである。

それから、お盆になると先祖を敬う伝来の習わしの迎え火・送り火を焚くことを我が家では続けているので孫たちにも拝ませて昔ながらのしきたりに親しませている。

私は子どもの時にあわや命取りになりかねない肺炎を患ったこともあり青壮年期を通じて決して頑健なほうではなかったのだが、人生コースの最終段階に入ろうとしているこの年齢で小さい孫たちと一緒になって夏を楽しむことができるのはどういう風の吹き回しだろうかと自分でも不思議に思う。まだまだ元気で人生を楽しんでやろう！そういう気持をいつまでも抱いて行こうと思っている。
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